XF35mmF1.4は風景が苦手?
X-T2, XF35mmF1.4 R, 1/680 sec at f/8.0, ISO200, Details Enhanced by ACR.
XF35mmF1.4は風景や遠景が苦手という評判を見かけることがある。一体なぜだろう?
理由のひとつは、レンズの問題と言うよりもX-Trans RAWのデモザイキングの難しさが関係している。これはAdobeがディテールの強化を導入したことで問題はほとんど解決されたと言っていいだろう。
もうひとつ考えられる理由は、富士フイルム自身が遠景が苦手であることを匂わす記事を書いているためだろう。
(XF35mmF1.4は)近接から中間距離を常用域とし、そのRangeに配置された立体物が、センサー性能の極限まで写るように作られている。
もちろん、そのために諦めたものもある。いわゆる画面中心から周辺まで、均質的な写りはしない。しかし、このレンズで平面的な被写体を撮ることは、おそらく殆ど無い。
このOne lens one story、なんとも乱暴な話である。35mm判換算50mmは人も風景も何でも撮れる画角だし、実際は開放側ばかりではなく絞って平面的な被写体を撮ることだって普通にあり得るだろう。
最後の理由は、先のMTFスコアの話と重なり、LensTip.comのMTFチャートの成績が非常に悪いからだろう。このXF35mmF1.4の成績は富士フイルムのラインナップの中で一番安い廉価キットズームXC15-45mmすらも下回るプアなものだ。
しかし、である。先の通り、これらMTFスコアはあまり意味をなしていない場合が多々ある。実際に、絞って遠景を撮ってみればすぐに分かるだろう。XF35mmF1.4 Rはいわゆる画面中心から周辺まで、均質的に極めてよく解像するレンズである。以下にクロップ画像を載せるが、Flickrからフルサイズをダウンロードして等倍鑑賞することも可能。
"数字"や"ストーリー"よりも"写り"。